曲名探偵団

Experia （作曲）

　オフィスでコピーを取っているジョーンズに、同僚の滝藤さんが「お前、得意先と会議じゃないのか？ 遅れるぞ。」と話しかけます。すると、急いで書類をしまったジョーンズは、なぜか窓の方に向かって直進。「タクシー使えよ」という呼びかけに、「ハイ！」と答えると、そのまま窓ガラスを割って外に飛び出します。ビルの4階からガラス片とともに落下し、ドスンと大きな音を立てながら、見事歩道に着地するジョーンズ。その衝撃で、めくれたアスファルトが舞い上がっています。そして、前方に何かを見つけて走り出し、通り過ぎようとしたタクシーに勢いよくジャンプ。間一髪、車体のルーフにしがみつきましたが、両手で掴んでいたタクシーの行灯が、壊れて外れてしまうアクシデントに見舞われるジョーンズ。バランスを崩して、車体からずり落ちてしまいますが、そのタクシーに乗っていた女性客が驚いた表情で後方を振り返ると、彼女の視線の先に落下したと思われたジョーンズの姿が。なんと車体の後部に手を引っ掛けて、サーフボードのようにアタッシュケースに乗っています。
　その様子をオフィスから眺めていた滝藤さんが、「アイツ、今日は妙に元気だなぁ…」と呟き、得意先へ向かうジョーンズを見送ります。画面が切り替わると、超高層ビルの垂直の壁面を、まるで普通の道であるかのように駆け登っているジョーンズの姿が見えます。ここで、「もしかして、これ飲んだのか？」と、コピー機の上に置かれた「アイアンボス」を発見した滝藤さんのカットが挿入。そして、目的の階に達すると、外から壁を突き破ってビルの中に侵入。驚く室内の人々を尻目に「オマタセシマシタ。」と得意先の会議室に到着します。ア然とする出席者たちを前に、何事もなかったかのように資料を配り始めるジョーンズのカットに、「この惑星では、妙に力がみなぎる時もある」というナレーションがインサート。最後はオフィスの自動販売機で「サントリー アイアンボス」を買った滝藤さんが、「俺も飲んじゃおうかな？」とひと口飲んで、「おおっ」と驚くカットで締めくくります。