曲名探偵団

山下宏明 （作曲）

古代ギリシャ世界の広大な荒野。
そこまでの過酷な道のりを物語っているかのように、ボロボロになりながらも一人の男が必死に走っています。
身代わりの友、セリヌンティウスを救うために・・・。その男の名はメロス。
心身ともに疲労困憊の中、ようやく見つけた水辺で水を汲むメロスでしたが、ふとなにかの気配に気づきます。
振り向くとなぜか現代的な格好をしたジョギング途中のひとりの青年がメロスを見ています。
メロスが心の声で尋ねます。
「おまえは、なぜ走っている･･･？」
青年も心の声で答えます。
「僕は･･･走ったり歩いたり健康に関する活動を続けていれば保険料そのものが割引になる、という新しい保険
に入ったからです。」
唖然とするメロス。
束の間の交流後、青年は走り去り、メロスも再び走り出したのでした。